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症例集

初めに


通常のブローネンマルクタイプインプラントの術式では、失敗の可能性が高いと思われた骨質の患者様に、プラットフォームスイッチングを行なう事により、長期的な安定した予後を得ることが出来たので報告いたします。

※平成22年度学会発表用資料より

※プラットフォームスイッチングとはインプラント体(フィクスチャー)にアバットメントの連結面の直径の幅がずれたものを装着することによって、接合部にくびれが生じ、くびれた部分の歯肉量が増え血流が流れやすくなり骨の吸収がしにくい健康的な歯茎になることをいいます。

プラットフォームスイッチングは某インプラントメーカーより提唱されておりますが、それより以前に当院院長が先んじて提唱している治療法である可能性がございます。
また、今回の症例報告は、長期的な経過をCTの値で正確に比較し、現在では一般的になった手術よりも長い期間を経過観察している報告でもあります。

症例集1

初診

2000年10月3日

顎関節症

咬合時の顎関節痛及び、右側ブリッジでの咀嚼障害が主訴で来院

顎関節症治療を行い、咬合時の顎関節痛及び、クリック音が軽減した後に、右側ブリッジを除去し、インプラント手術を行なった。

インプラントを行うに際して、患者様の全身状態は問題がなかった。

しかし、骨質については、パノラマ及び、デンタルX-RAY等によると、ミッシュの分類ほぼD4であると診断された。

より正確な診断を行うため、コンピューターシミュレーションソフト、SimPlant®を用いて精査を行なった。

SimPlant®は、インプラントのシミュレーションソフトとして米国において、1993年にリリースされ、日本においても横河技術情報により、1996年にリリースされ、使用可能であった。私も、1999年にインプラント手術に使用を始め、以前のデンタルCTから移行していた。デンタルCT等のフィルムでは、確認する事が出来なかった、骨の細部にわたっての情報を得ることが出来た。

症例集2

SimPlant®で精査すると、インプラント植立予定部位の骨質は、ハンフィールド値で表すと、皮質骨を除くほとんどの部位において、マイナス値を示した。
患者にはインプラント植立に際し、インプラントがオッセオインテグレーションの可能性の少ない事、そして失敗する事もあり得るということをインフォームドコンセントを行い、手術の承諾を得た。

症例集3 症例集4 症例集5 症例集6

インプラントは、当時日本にリリースされた、3i社の「XP」タイプを使用する事にした。その理由として、一回法の術式のITIのBoneFit®などに比べて、2回法としてプラットフォームが広いタイプのインプラントのほうがオッセオインテグレーションを獲得し得るのではないかと考えたからである。もし、2回法インプラントの通常の形質であれば、下顎骨内に迷入の可能性も考えられた為に、2回法のインプラントの「XP」タイプを使用することにした。

手術は通法通り行なった。しかし、2次手術までの期間を通常の3ケ月から上顎骨と同様の6カ月とし、より安定性を期待した。6ヶ月経過後、2次手術を通法通り行ない、最終補綴を行い、以後、8年経過後も良好な予後を得ている。

症例集7 症例集8 症例集9 症例集10 症例集11 症例集12 症例集13 症例集14

まとめ

今回の症例報告は、骨質D4以下のインプラント植立に対し、成功率がきわめて低いケースに、プラットフォームスイッチングを行うことにより、長期に安定した予後を得たケースである。術後8年経過した後の再評価に、再度CT撮影を行い、骨質を評価したが、インプラント周囲には予想された骨の添加はあまり確認できなかった。

結果、咬合力等の応力は主として、ネック部の皮質骨で支持されていると考えられる。

このように海綿骨の支持を期待できないケースにおいては、今回の症例の様に皮質骨にて主に応力を受ける「XP」の様なタイプのインプラント及び、プラットフォームスイッチングが有効だと思われた。

結論

インプラント治療において、CT診査は今や不可避である。特に、定量的に骨質を評価する為には、ヘリカルCTによる骨質の診査は特に大切である。今回の症例報告のように、経時的に比較する時に、常に同一で、評価できる基準の元で、診断することが、予後を判定するにおいて重要なことであると考える。